『グロリア』とか『灼熱の炎』みたいなフィジカルな感じではないけど、マヌエラの母としての強さ、勇敢さが強く感じられた。
主人公マヌエラ(アルモドバル映画に頻繁に登場する安定のセシリア・ロス)は最近とみに可視化されてきた「夫がトランスしてハア?と思いながらも取り残されちゃった妻」なんだけどそれはかなり中盤になってから明かされる。ちょっと待てよ、ペドロよ。世の中の妻も一生懸命こういうふうに我慢してると思うよ。でも都合良くないかい。
でもアグラードはいいキャラなんだよなあー。あっけらかんとして人情あるビッチだからかしら。(笑)アルモドバルの描く””マリコン””って、全然きれいな女になりきれず、ごっついガタイに厚化粧でおっぱいは作りすぎ、売女みたいな服着てるか本当に売女かのどちらかで、なんか最近あなたたちが一生懸命受容しようとしている(※※)「🌈トランスジェンダー🌈」では確実にない。『バッド・エデュケーション』のイグナシオしかり。おっぱいは無いけど『アイム・ソー・エキサイテッド!』のオカマフライトアテンダント3人衆しかり。(ところでオカマフライトアテンダント3人衆ってすごい響きですね。)
で最後にいきなり登場したロラにはめちゃくちゃ「オイ!お前のせいでロサが!!さっさと切っとけや!!!」と思った。マヌエラもなんで優しげに子供見せたりする?!?!
(※)スペイン語で「オカマ」の意。アルモドバル映画では「もう、あんたって本当しょうがないオカマね!」みたいな感じで連発
(※※)「私たち」とは言いません。