墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

やっぱり詩人/『フラーニャと私』

ノルシュテイン『フラーニャと私』を読んだ。制作途上や、構想のみで撮影しなかったシーンなどの膨大なスケッチやエスキースノルシュテインの希望の順番で編集したらしい。特に製作中で未完の『外套』の絵がたくさん観られて良い。

妻のフラーニャが美術監督として膨大な絵を描いているのだが、ノルシュテインは逆にアニメ本編で使われる絵をまったく描かないらしい!監督業に専念しているとのこと。絵コンテとかスケッチとかは描いてるけど。本文中にも「キャラクターが現在の形に行き着くまで、美術監督と監督との綿密なすり合わせがあってのこのスタイル、この完成度」というような内容があったと思うが、私は本当にフラーニャの絵のタッチがノルシュテイン作品の優しく幻想的な雰囲気の8〜9割を担っていると言っても過言ではないと思っているので、すごい人だな………。