墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

シンゴジのはなし

あんまり劇場で観る気はなかったが、シン・ゴジラを観に行ってきた。このタイミングで初見というのは乗り遅れている感がすごいものの、ある程度の前情報を避ける気もなく浴びてきたので、初見ながらもまっさらの状態より落ち着いて鑑賞できた気がする。ちなみに私の持っていた前情報は、なんかすごいらしい(大評判なので面白そうだなあと漠然と思ってはいた)、尾頭さんがすごいらしい、巨災対がすごいらしい、高橋一生が聖司くんの声の人、蒲田くんがキモかわいいらしい、さりげにクレバが出ている、ぐらいの乏しく、かつ語彙力のないものである。

さて、なんであんまり劇場で見る気がないのに行ったかというと、すでに9回劇場で観ている先輩に連れられて行ったからである。記念すべき10回目に同行させていただいたのだが、正直私は「劇場でおんなじ映画10回も見るって意味わからん」と思っていた。先輩いわく「竹野内豊をウォッチしているのだ。あと頭いいっぽい人が頭よさそうに紙ペラペラさせてるところをみるのがいいのだ」とおっしゃっていたが余計わからなくなった。

 

しかし。シン・ゴジラはやはり凄かった。早口すぎて何いってるのかわからんし登場人物の名前ももはや覚えられないがそんなことはどうでもいいのだ。ゴジラという映画に必要なのは俳優の見た目がいいとか展開がひねってあるとかではないのだ。ゴジラの圧倒的な破壊力と行政がそれを阻止しようとして成功するという単純かつ骨太な構図がこうまで緻密に作りこまれ(CGの話はとりあえずしないでおく)ているだけでいいのだ。新旧問わず洋画をこよなく愛し、最近の邦画(特にマンガ・アニメの実写化)には期待を全く持っていない私だったが、庵野監督には敬服の意を示したくなった。10回観に行く気持ちはまだわからんが、「さっぱりわからん」から「う~んわからんけどわからんでもない」に変化したし、まだ観ていない人はぜひ観てほしい。