墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

2023-01-01から1年間の記事一覧

元祖?おっさん妊娠映画/『モン・パリ』

男が妊娠するという設定だとアーノルド・シュワルツネッガー主演『ジュニア』が有名だが、シュワよりも先にマルチェロが妊娠してました。 あのジャック・ドゥミ監督でマルチェロとカトリーヌドヌーヴを起用してるのに至る所でアホ設定が飛び出しマルチェロも…

剥がれていく好青年/『愛の落日』

グレアム・グリーン、「情事の終わり」といい、男女の複雑なストーリーを作らせたら天才だな…………。フォング(Do Thi Hai Yen)のひかえめかつ玉のような美しさ、めちゃくちゃ説得力ある…………。そりゃこの子にはこんなとこで愛人稼業させてちゃダメでしょうよ。 …

仕事部屋の虚像たち/『レア・セドゥのいつわり』

なぜかフランス人のレア・セドゥが育ちの良く真面目で奔放で倦んだイギリス人女性を演じた本作。悪かないけども……?あんまり何も起こらなかった。 ユダヤ系アメリカ人の中年作家と不倫を重ねるものの、『ダメージ』のような激しい感情的な感じではなく淡々と…

人を鬼火で判断してはいけない/『ダメージ』

ルイマル映画作るのうますぎでは? 名作といわれる『鬼火』だけ観て「うーんよくわからないなあ…」と思っていたけど、人を鬼火で判断してはいけないのね。『ダメージ』はかなり好きです。 まずキャスティングの妙ですよね…。 言わずもがな美しく枯れているジ…

そして何も起こらなかった/アントニオーニ『欲望』

すんません。修行が足りないので全然面白く観られませんでした。これパルムドールなんか!?!???カンヌ審査員と全然意見が合いませんわ… 「メイ見たもん!死体いるもん!」「そこに無かったらないですね」を謎めいた感じでやったらこうなりました。とい…

旦那の方が病気/『こわれゆく女』

夫を愛しすぎたが故に精神崩壊していく妻…というU-NEXTの説明を信じてたけど、これニック(夫)が異常にキレやすくて声がでかいのが原因なだけで、ニックがメイベルのこといちいち恫喝しなければメイベルは精神崩壊しないと思う。ていうかどこが「繊細な演技」…

わたしたちはまだ結婚していない/『ビール・ストリートの恋人たち』

ムーンライト、ラスト・ブラックマン・イン・サンフランシスコとこれ!!!A24最強。ラストブラックマン・イン・サンフランシスコものくごく好き。 とにかくティッシュの家族が果てしなく優しくて思いやりがあって絆が強くて、それだけで物語にものすごく深…

整いすぎた庭とバロックの映像美/「去年マリエンバードで」

冒頭から「出た!!!このわけのわからんアラン・ロブ・グリエの台詞回し!!」と思いましたが、本人が監督してないからいい感じに意味不明さが薄まったのとアランレネの実力でめちゃくちゃ好きな映像に仕上がってました……。こういう装飾過多な建物とか鏡と…