墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

空っぽな手の奇蹟だ/『田舎司祭の日記』

バルタザールのノリにいまいちハマりきれなかったのですが、こっちは好きだった。特にサントラ。予告の時点ではてっきり司祭とシャンタルが禁断の恋に落ちて「聖職なのに村の娘に手を出しやがって」的なスキャンダルになって司祭の地位から追い落とされるみ…

主人公のエイドリアンブロディ感/『バビロン・ベルリン』

『バビロン・ベルリン』が配信で観られるようになったのでまたS1から観ています。安定の面白さと衣装・美術の良さ…………。ジャーマン・ジャズ・エイジここに再現さる。しょうもないですけど前から主人公がエイドリアンブロディに思えてしょうがないです。あと…

ウル・コーマはグルジア語/『The city&the city』(ドラマ)

かつてアイリーン・アドラーだったララ・パラヴァー様に期待してたんですが、SFドラマだったらどちらかというと「フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームス」の「真生活」の方が輝いてました。「べジェルとウル・コーマは隣接する都市国家だが互…

最後のくちづけを、そして愛した女の血の雨のふる/ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』

ヴィスコンティの映画をだいぶ前に先に観て、今回原作を読みました。ヴィスコンティは勝手に映画化して違うタイトルつけてたから、デビュー作なのに公開禁止とかになってたらしいです。地に足のつかない根無草の男・フランクが、魅力的な人妻コーラに出会っ…

むしろカレーニンをもっと見たい/『アンナ・カレーニナ』

ほとんどのシーンが文字通りの劇場とそこに挿入された邸などの空間で展開する、歌わないミュージカル?舞台演劇?的映画。画作りは面白いし綺麗だけどなんでそこ劇場にした?っていう無理やり感あるシーン(競馬とか)も多かったです。美術チーム大変だっただ…

私たち自身の痛みから気を逸らすための装置としての「どこか遠いどこか」/『ムスリム女性に救援は必要か』

オリエンタリズム・ポストコロニアリズムを齧った者なら知的好奇心をめちゃくちゃ刺激される一冊。自分の中のオリエンタリズムを自覚させられます!!名作『私はヌジューム、10歳で離婚した』を観る目が変わります。著者は、西欧の人々が普遍的な倫理コード…

エヴァ様の魅力炸裂/『ダークシャドウ』

“Curse you”とか言ってるわ、シャンデリア落とすわ、ティム、なにげにオペラ座の怪人的要素を入れようとしたな??とにかくエヴァグリーン様が魔女という完全にそれな設定でアンジェリークの魅力がやばい。エヴァグリーン様があんな媚態で迫ってきたらそら誘…

モモアマンはカールドロゴだからその世界で王になったらいかんタイプ/『アクアマン』

なんかニコールの息子がモモアマンなのも無理あるしパトリックウィルソンがモモアマンの弟なのもかなり無理あるぞ。ニコールは元々地毛がブロンドなのもあるけど、デナーリス的プラチナブロンドウィッグをかぶってビジュアル的にありになれちゃう女なの本当…