墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

オールスターだからこそキャスティングの妙が活きる/『大空港』

ただのバートウォッチングと思って観ていたら結構ハラハラして面白かった。というか公開当時はめちゃくちゃヒットしてたのか……。「あらゆるフライトパニック者の祖」らしいです。バートウォッチングとしてもいいバートがいっぱい見られて良かったです(バートランカスタラーの偏った感想)。なんというか俳優としてのキャリアって役柄に如実に影響するんだなということを改めて感じました。バートだったら演じる前から信頼感ある先入観で見るから。キャスティングの人上手いですね。というわけで「思慮」と、ジーンセバーグとアバンチュールしてても納得の「男としてのギラつき」を感じさせる空港長その他諸々を2021年現在生きてる人たちで考えてみました。


メル・ベイカースフェルド:イドリス・エルバ

ヴァーノン・デマレスト:ブラピ

ターニャ・リヴィングストン:キーラ・ナイトレイ

グエン・メイフェン:エマ・ストーン

メルの姉(デマレスト夫人):ジュリア・ロバーツ

イカースフェルド夫人:アリシア・ヴィキャンデル

ゲレロ:トビー・ジョーンズ

ゲレロ夫人:オリヴィア・コールマン

パトローニ:マーティン・フリーマン

エイダ・クォンセット:マギー・スミス


空港長はコリンファースでもいいかなあと思ったけどギラつきが欲しかったのでやっぱりイドリスかなと思いました。パトローニはよっぽどロバートグレニスターにしようかと思いましたが、hustleに出演してた時から時が経ってておじいちゃんになってるのでやめました。


信頼のメルもチャラチャラのデマレストも結局そっちの若い子とくっつくんかい!という展開なので、航空業界へのステレオタイプを強化してる気もしないでもないです。あと名前わからないけど機関士の彼がイケメンだったのでトムホランド君とかにやってほしいです。


ある日のリンカーン空港(架空)。メイン滑走路に着陸したグローバル航空の飛行機が滑走路を外れ、折しもの雪でスタックした。機長は吹き溜まりからの脱出を試みるものの、抜け出せないまま雪はさらに積もるばかり。空港長を務めるメルはリンカーン空港一のベテラン整備士パトローニを家から呼び出し対応させる。

メルは空港長としての仕事に誇りを持っていたが、仕事を優先するあまり家庭を顧みず妻と離婚の危機にあり、またグローバル航空グラウンドスタッフのチーフのターニャと不倫していた。さらに姉の夫でパイロットのデマレストとは険悪な仲だった。デマレストはキャビンアテンダントのグエンと不倫しており、グエンから妊娠を告げられる。

その夜、無賃搭乗の乗客ミセス・クォンセットがターニャの元に連行されてくる。クォンセットは無賃搭乗の常習犯で、上品で明るいクォンセットにメルも煙に巻かれてしまう。ターニャはクォンセットを帰りの便に乗せるまで目を離さないよう部下に厳命するが、クォンセットは仮病を使って巧みにグラウンドスタッフの青年をまき、ローマ便に乗り込んだ。一方、ゲレロという男は生活苦から飛行機を爆破し、家族に保険金を遺そうと計画していた。こうしてデマレストが副機長を務めるローマ行き2便に爆弾魔と無賃搭乗の老女が乗り込むこととなった。

挙動のおかしいゲレロに気づいた税関係員から話を聞いたターニャとメルは夫がローマ行きのチケットを買ったことを知り心配して空港にやって来たゲレロ夫人から事情を聞き出す。メルはデマレストにクォンセットとゲレロのことを連絡し対処させようとする。デマレストはゲレロの説得を試みるが、「爆弾だ!」と叫んだ乗客に刺激され、ゲレロがトイレに立て篭もろうとしたところ弾みで爆弾が爆発してしまった。尾翼近くに穴が空いてしまい、グエンは爆風で重体、乗客はパニックで機体は緊急着陸が必要な状態に陥った。

障害機の移動ができないためメイン滑走路は閉鎖していたが、うまくコントロールの効かない機体ではサブ滑走路への着陸は難しい。またサブ滑走路は住宅街と隣接しており、着陸に失敗すれば民家を巻き込む危険があった。デマレストはなんとしてもメイン滑走路をオープンするよう迫る。メルも理解し、除雪車チームで障害機を無理やりどかす手を取ろうとするが、パトローニは除雪車によって機体を傷つけることを許さず、整備士の意地で障害機を移動させることに成功する。いよいよメイン滑走路がオープンし、ローマ便は辛くも緊急着陸した。デマレストはグエンの命の危機を目の当たりにして、グエンを真剣に愛していることに気づき手術に付き添っていく。

一夜明け、事故処理のために機体の検証が始まった。夜通し働いていたメルにはさらなる仕事があったが、今は置いておくこととして、ついに離婚を決意し「君の自慢の朝食を食べさせてくれ」と言ってターニャとともに空港を後にする。