『ウィトゲンシュタインの愛人』を読んだ(読み終わらなかった)。
とにかく装丁が素晴らしい。
世界が終わろうとしていて、一人だけ海辺に生きているらしい女のつらつらした日記なのだが、あらゆることに対して認識が曖昧になっていて、あれはそうだったとかいややっぱり違ったとか本当はこうだったとかいやそんなことよりとか、とにかく全体に流れる「知らんけど」感がすごい。そのわりに、使う固有名詞の解像度は妙に高い。あと、もっとストーリーがあるのかと思っていた。終末ものとしてはアンナ・カヴァンの「氷」と対置して論じたら面白そうだなあ。