墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

コミカルでライトでアクセント的に脇役が死ぬよね/『ムーンライズ・キングダム』

ウェス映画、脇役の死にようがめちゃくちゃコミカルなことが気になるんだよね。今回は犬のスヌーピーでした。(グランド・ブタペスト・ホテルの脱獄のシーンで地下ポーカーしてた奴らをババーッ!と殺すところで「は?」と思ったのを覚えてます。)話の展開上、あんまりその死に意味がないことが多いので、ウェス、脇役の死のことを単にギャグだと思ってる説ある。グランド・ブタペスト・ホテルでジェフ・ゴールドブラム演じる弁護士の指が取れて殺されるところとかもめちゃくちゃギャグだったな…。


あとスージーの家の整然としててカメラ用の穴空いてるセットっぽくてちょっとヴィンテージな感じの画づくりは「ウェスです!!!」って感じですし教会のノアの劇のキャラクターたちも「ウェスです!!!!」って感じですし、フォート・レバノンの隊長の家がボンボン燃えちゃうのをはじめとする過剰かつライトなギャグ+バイオレンスも「ウェスです!!!!」って感じでした。


ニューイングランドでキャンプ中のボーイスカウト、カーキ・スカウトの嫌われ者の隊員で変わり者の少年サムがある日突然失踪する。サムは教会の「ノアの方舟」の劇でカラス役を務めたスージーを見て恋に落ち、文通で思いを伝え合っていたのだった。待ち合わせ場所の草原で落ち合った2人はボーイスカウトで培ったサバイバル術を駆使して森の中を古い「季節労働者の道」を辿って小さな入江に辿り着く。一方、スージーの両親やカーキ・スカウトの隊長ウォード、島警察のシャープ警部は2人が逃亡するに至った背景を探っていく。サムは里親からカーキ・スカウトに預けられており、里親はエキセントリックで心を病んでいるサムを厄介払いしたがっていた。またスージーも「キレやすい」ことで両親から腫れ物扱いされており、周囲との関係に問題を抱えていた。

2人は入江でキャンプをし、泳いだり朗読したりするうちに子供ながらもちょっとエッチな接触を持つに至る。テントで半裸で寝ていた2人が目覚めると、2人を探していた大人たちとカーキ・スカウトの隊員たちが勢揃いしていた。シャープ警部はソーシャルワーカーに連絡するが、サムが少年収容所に送られることになることを知って憐憫の情を抱く。一時的にシャープ警部の家でサムを保護することになるが、サムに冷たい態度を取っていたカーキ・スカウトの隊員たちはサムが孤児だったことを知ってサムをスージーとともに逃がしてあげることにする。

無事にニューイングランド島を脱出したサムたちは、少し離れた別の島フォート・レバノンのスカウト隊でデタラメな結婚式を挙げてもらう。そこからカニ漁船に潜り込もうとするが、忘れ物を取りに戻ったサムは他の隊員たちに見つかり、逃げようとしたところで雷に打たれてしまう。台風から避難するために関係者全員が教会に集まったが、スージーの両親やシャープ警部に見つかりそうになったサムとスージーは教会の尖塔から海に飛び込んで逃げようとする。2人が心中しようとしているのではないかと勘違いしたシャープ警部は「サムを養子にする」と言って2人を引き止めようとするが、その時尖塔に雷が落ちて3人は土砂降りの中宙吊りになった。

台風一過のニューイングランド島。シャープ警部と暮らすことになったサムはスージーの家に忍び込んでスージーと弟たちと共に過ごしていた。サムが描いた絵の中の景色は、スージーと過ごしたあの入江だった。


ブルースウィリスがうまいことおじいちゃん感を醸し出しててHidden Figuresのケビンコスナーかと思った。それか最近のゲイリーオールドマン。全体的にはウェス風味で子供たちなりの真剣な恋とドタバタ群像劇がやりたかったんだなあという感じです。

結論ですが、どっちかというとグランド・ブタペスト・ホテルの方が好きです。