墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

ウル・コーマはグルジア語/『The city&the city』(ドラマ)

かつてアイリーン・アドラーだったララ・パラヴァー様に期待してたんですが、SFドラマだったらどちらかというと「フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームス」の「真生活」の方が輝いてました。


「べジェルとウル・コーマは隣接する都市国家だが互いの住人はもう一つの都市を見ないようにして暮らしている」という設定なんですが、この設定が絶妙にわかりにくいのと映像表現も「なんかぼやけてる」という感じなのでイマイチピンとこない…。

全5話だから色々さっさと進んでしまって、物足りない感じはしました(でもこれを長々とやられてもそれはそれでダルい……)。冷たかったダット警部がいきなり協力的になったりとか、マハリアのお父さんが襲われて結局どうなったのか回収なしとか…。


主人公であるベジェルのボルル警部が、ウル・コーマへの留学生マハリアの死体がベジェルで発見されたという殺人事件を追っていくのが主軸です。が、結局マハリアはボルルの妻の元恋人バウデンに殺されてたというオチで、謎解きのスッキリ感はボルルがマハリア事件にオーバーラップさせていた妻の失踪の真相の方に行ってしまってました……。真相解明はバウデンの語りだけでえーそんだけ?って感じだし、バウデンの居場所の突き止め方もスーッといっててショボかった。


「映像化不可能と言われた原作をドラマ化」と言われてますが、結局ちゃんとは映像化できなかった印象でした。未読ですが原作の方が面白そうな感じです。