墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

タイトルしか勝たん/『サタデーナイトフィーバー』

ええ〜…?もっと全編踊りまくってマツケンサンバ並みのフィーバー!ジャーン!終わり!みたいなイメージだったのに、親友は死ぬわ、自分に想いを寄せる女の子がヤケになって輪姦されるのを見て軽蔑するわ、テーマは「10代の葛藤」みたいな感じだったの……?という読後感だった。こういう一見アホそう&時代的にポリコレ的ひねりを気にしてない映画では順当にヒロインとくっついて欲しいんですけど!!!!というかステイン・アライヴがサントラだったのを冒頭で流れて初めて知ったし、ステイン・アライヴはやっぱサントラ中一番良い曲だったと思います。


純粋にダンスコンテスト優勝を目指してイェーイ!にフォーカスしてくれたら良かったんですけど、コンテストで優勝してもヤラセで納得できないくだりから加速度的に展開がめちゃくちゃ暗くなり、話がとっ散らかりはじめてよくわかんなかった……。観る前に思ってたより深いテーマを描こうとしてたので、サムネイルのトラボルタの決めポーズのフォルムのノリのバカさ加減とのギャップで戸惑ってしまいました。

あと良くなかったのはダンスコンテストでトニーが踊る曲の選曲!なんか曲にしまりがなくポワワーンとしてて、もっとノリノリの曲で踊ったら良かったんじゃない!?と思った。演出上、プエルトリコ組をめちゃくちゃ盛り上げて差を際立たせる必要があるのはわかるけど、あまりに主役カップルの踊りがぼんやりしてて本気出してない感が出ててシーンとして「それが主役の見せ場〜…?」って感じだったので…。


そして気になるキャラはトニーに想いを寄せるアネット。あのね………………………………「恋に恋するお年頃」ってレベルじゃねえべ!!!!!露骨にセックスに執着すな!!!!道端でコンドーム出して誘うな!!!!!!なんなんだこのキャラクター造形は!!!!!絶対男が考えただろ!!!!と思いました。しかもヤケを起こしてトニーの友達にデレデレして、最後はトニー(好きな人)が見てる中で車で輪姦されて泣いちゃってトニーに軽蔑されるという………。ちょっと不憫すぎへん?「もっと自分を大事にしろ!」と言いたいわ。トニーも止めろよお……。


とにかくタイトルの語呂とステイン・アライヴはめちゃくちゃ良かったですが、かなり「思ってたのと違うなあ」と思いました。