墓場よりお送りいたします

ブン学、オン楽、映画のはなしなど

むしろカレーニンをもっと見たい/『アンナ・カレーニナ』

ほとんどのシーンが文字通りの劇場とそこに挿入された邸などの空間で展開する、歌わないミュージカル?舞台演劇?的映画。画作りは面白いし綺麗だけどなんでそこ劇場にした?っていう無理やり感あるシーン(競馬とか)も多かったです。美術チーム大変だっただろうな………。


キーラ、なんかヘアメイクがあんまり良くなかったかな……。あの化粧は吊り目が強調されて見えるし、細かい巻き毛全然似合ってなかったよね。そしてなんか舞踏会の服とかアクセサリーとかではちょっとアールデコみが出ちゃったのか???妊娠中に気が滅入ってブロンスキーを責め立てる時の紺のドレスに合わせた大きいブローチのコーディネートはとっても良かった!そしてミシェルドッカリー姉さんがさりげに出演!

ブロンスキーはさ、そういう系統で行くんだったらグザヴィエ・ドランにやってもらったら良かったんでないかなあと思いました。あっちは完膚なきまでに美形だから。


で、あの箱に入ったブツの話をしたいんですけど、最初に出てきた時はえっこの時代にコンドームある???と思ったのと出てくるタイミングがあまりにもコンドームすぎてそんな品のない性行為の仄めかし方(仄めかせてない)する?と思って何か違うものなのかと思いましたが、「あなたとはできない。彼の子供を妊娠してるの」のシーンであーそれやっぱりコンドームなのね?と思いました。私、華麗なコスチュームプレイなのにジュードロウがいそいそとゴム持ってくるところなんか見たくないわよ。ゴムかどうかはわからんけど。羊の腸とかで作るのかもしれない。ていうか官吏だから貴族ではないとはいえ、こんな名家だったらお世継ぎが何人でも必要なんだから、バースコントロールなんてする?するなら禁欲でやりなさいよ。


せっかくカレーニンを受難の聖人として描くんだから、カレーニンの苦悩をもっと掘り下げてくれたら良かったのかなあと思いました。あと終盤のアンナは適応障害とかそういう病名が付くんだと思います。まあ社交界から総スカン食らってあんな状況だったら精神的に追い詰められるわなっていうのをトルストイなり、かつジョーライトなりに描いたのかと思いますが、いかんせんただの理不尽で嫉妬深い女っぽくなっちゃってるなあと思いました。だってその前に一度は許してくれたカレーニンを振り切ってブロンスキーのところに来て好き勝手やってるんだもん……


誰か「アレクセイ・カレーニン」っていうタイトルでカレーニンの物語作ってください。もちろんジュードロウで。